2009年2月28日土曜日

「こいさん」の引越し

我が家の「こいさん」が2月15日に引っ越しました。

引っ越す2週間程前から、少し落ち込んだような感じで「引っ越したくない・・」「引っ越したくない」と言っていたのです。夕食は一緒に取ろうと決めたらしく、遊びにも行かないで帰ってきます。

 

2月11日の祝日の前の晩、夕飯を食べながら「明日は、何をするの?」と聞いたら「別に何にもしない」と答えます。「私は出かけるけれど、もし、梅田のほうに出かけるなら、梅田で夕飯を一緒に食べましょう。もし出かけないなら、近くのレストランで食事をしましょう」と言ったら、「どうして最後の夕飯を外で食べますか?」と言うのです。思わずカレンダーを確認してしまいました。「え!最後ではないですよ。引っ越すまでにまだ時間がありますよ」といったのだけれど、「最後の夕飯は家で食べたい・・・」と泣き出したのです。こちらも思わず、もらい泣き。二人で泣きながら話すことになりました。

 

「今度行く家もきっと良い家よ。あなたが来るのを楽しみに待っているはずだし・・・。妹や弟もできるし。新しい家では、また、こことは違った経験ができるし・・・」等々、いろいろ言って慰めました。「ここにいたい・・・」と言うのを、次の人が彼女の来るのを待っていることを考えれば「ここにいてもいいのよ」とは言えず、慰めるのも少しつらかった。

泣いて少し落ち着いたので、出かける先を彼女に教え、もし明日一緒に行く気があるなら行きましょうと言ったけれど、家にいるとの事。

 

12日は出先から電話して、夕食の時間を決め一緒にVolksで食事をする。

 

それからは毎日、夕食で話をするたびに、こいさんは「引っ越したくない」と言い涙ぐむので、私には元気付けるしかできない。「私はその日にあったことを、これから誰に言ったらいいのでしょう?」というから、「いつでも、電話をかけてね」とも言った。

 

それでも引越しが近づいた日「ひとついいことを考えました。もし、お母さんと今別れず、一年間いてから別れたら、もっともっと別れがつらくなるから、今別れられるのはいいことかもしれない・・・」などと、自分を納得させつつ、私を安心させていた。

引越しの前の日、14日は一緒に近くを散歩して、途中の喫茶店でケーキセットを頼む。初めてのお店だったけれどすごく混んでいたので、外のテーブルでお茶を飲むことにした。出てきたケーキセットを見て混んでいる理由がわかった。安くてとてもボリュームがあって、おいしかった。二人ともニコニコ。お天気もよく、屋外でもあり、ジョイも一緒にいられたのも良かった。

 

最後の夕食は何がいいか聞いたら、「お母さんの作るカレー」との事。手によりをかけてといっても、カレールーを使ったカレーでは手によりもかけられず、いつものカレーが出来上がった。

夕食後言ってはいけないと思いながら「もし、今度の家に行って何かあって、我慢しても我慢できないようになったときには、学校に言って戻ってらっしゃいね」と、言った。言って良かったと思う。何かあったときには、戻れる場所があるというのは、少し安心感につながるかもしれないと思うから。なんか、娘が嫁に行くような感じがした。

自分の娘もこれほど私をしたってはくれないのではないかしら、などと思いを馳せながら・・・。「あなたは私の中国の娘だから、子供ができたりしたら教えてね」「もちろんです」

 

引越し当日は、朝方まで荷造りをしていたようだ。来たときの大きなスーツケースの4、5倍ほどに荷物は増えていた。

3時ごろ次のホストファミリーが迎えに来ることになっていた。こいさんは荷造り用の空気の入ったビニールを、「緊張する・・・」「緊張する!」と言いながら、パチパチ音を立てながらつぶしていた。

 

「ピンポーン」インターホンが鳴った。女の人の顔が見えたので次のホストファミリーの人だと思いドアを開ける。ジョイがうれしくて「ワンワン」言うので、相手が何を言っているかわからない。女の人の後ろに少し年増の女の人。ご主人と一緒に来るといっていたのに、おばあちゃんと一緒に来たのだ、と思いながら、ジョイの鳴き声で何を言っているかわからないけれど「どうぞ、中にお入りください」と招きいれようとすると、相手も何かいっている。「どうぞ、どうぞ」とジョイを抱きながらも再度家の中に入ってもらおうとしたけれど、少し躊躇している感じ。

「お嬢さんもご一緒に・・・」「・・・???(娘ではないのは知っているはずだから・・・)!!!」クリスチャンとか、キリストとか言う言葉が聞こえたので、そのとき初めて、宗教の布教の人だということがわかった。こちらも驚いたけれど、相手の人も驚いたと思う。何も聞かないで、家の中に入れてくれる親切な人だと思ったのではないかしら。

あわてて、来客のあることを知らせ、帰ってもらった。

 

しばらくして、次のホストファミリーの人が来た。荷物を見て、驚きながらもてきぱきと運んで車に積んでいく。一応運び終わり、積み終わったのでお礼の挨拶をし、こいさんに「さようなら」を言おうとしたら、こいさんが泣き出した。次のホストファミリーの人はびっくりしたと思う。私はニコニコしながら、よろしくお願いします、と言うしかなかった。

 

その夜電話があり、今度の家は3階建てで、一階は食堂と和室、二回はリビングとお風呂、3階は皆のお部屋で、彼女の部屋はとても小さくて彼女の荷物が全部入りきらず、外においておかなければならないとのこと。いろいろ話してくれるけれど、最後はやはり泣き声になった。

それからほぼ毎日、夜になると電話があり泣き声になる。「お母さん・・・。会いたい・・・」などといわれて、こちらもついほろっとしてしまいそうになるけれど、強いて面白い話をして、話をそらしたりした。

 

電話が途切れるのに1週間かかった。

今まであった電話がないと、新しい家庭に慣れたのだとうれしい気がするけれど、子供が離れていくような寂しい気持ちもあり、複雑な心境。

メールがあった。「お母さん、元気ですか?私は今の家の生活はだんだん慣れました!だから心配しなくてもいい。夜もよく寝られますね(^^)

子供が巣立って行く、そんな感じです。

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